オイル類の管理について
■ 一般的な保管上の注意

当店は入手時に酸化チェックを行い、小分けも最終加工日と未開封期限表示し、 全てロット管理しています。当店の殆どのオイルは保存料など完全無添加・ 100%Pureなオイルですので、基本的に低温で固まるもの以外は全て低温遮光保管を お勧めしています。
 厳密には冷蔵庫の低温より15度くらいの低温保管がふさわしい例が多いですが、 概ね冷蔵庫管理(あればワインセラー)をお勧めしています。野菜室の湿気も ふさわしくないので、完全な条件を提案する事は家庭レベルでは不可能なため、 紫外線などの光・高温・微生物混入を避ける事に注意下さい。

 

■ 開封後期限について

単なる目安に過ぎませんが、冷暗所管理を前提条件として ラベル表示にある未開封期限の1/4-1/5が大まかな開封後期限になります。 (あと1年の未開封期限があれば開封後は約2-3ヶ月程度) ただし酸化しやすいオイル類は開封後は1−2ヶ月が限界となる事が多いです。

当店は鮮度の高い原料をそのまま無添加で御提供している形になっています。 通常の上市化された規格品でなく、保存剤添加前の未加工の原料をそのままサービス提供しているため、 一般市場品のような厳密な消費期限のお約束が出来ません。 (原料でも保存剤が前以て添加されたり加工済みの期限付き原料もありますが、当店では扱っておりません) これら保障を確立するには どうしても保存料の添加が必須となりますが、当店から購入を希望される殆どの方が、 その添加物を希望されていない事と思われます。 大まかな目安としてラベル内に未開封推奨期限(Best Before) としての表示を記してございますが、開封後期限は記載がありません。(できません)
これは使用者の管理に大きく左右されるため、当店が指定できるものでないためです。 お風呂や窓際の直射日光の悪環境下で使われたものは、遮光瓶や包装形態の優劣に関係なく、 容易に酸化や劣化を起こす事は言うまでもありません。
逆に使用後、すぐに酸化の要因である空気を抜き、微生物・雑菌類の混入なく、 速やかに栓をして冷暗所保管できていれば、未開封期限同等の品質維持も期待できることさえあります。
  管理次第で開封後期限は大きく異なりますが、季節的な要因も大きく絡みます。 冬季など大気中の微生物(細菌/菌類)や、 それら胞子類の絶対数の少ない時期は保存も良好な一方、 夏場は汚染されたお子様の手にドロップ部を触られただけ・・ などチョッとした事でも、翌日から酸化臭や沈殿が発生する事も珍しくありません。 特に夏場の開封後や特に取り出し口の注意、そしてお子様によるお取り扱いなどは 入念にされる事をお勧めします。

冷蔵庫内では容器の種類に関係なく遮光が確立される点と、 雑菌類の生息環境が悪いのでお勧めしておりますが、 一部のオイルは冷蔵庫の低温で固まる事があるので、オイルによって使い分けが必要になります。 ただし固まりやすいオイルは酸化はしにくいオイルが殆どですので、 これらのオイルは雑菌類の混入に御注意頂く事がポイントになると思われます。

 

■ 酸化しやすいオイル・酸化しにくいオイル

<酸化しやすいオイル>
ローズヒップ・月見草・ボラジ(ボリジ)・ヘンプ・小麦胚芽(未精製)・ボイズンベリー・ キウイシード・ククイナッツ・グレープシード・亜麻仁油(フラックスシードオイル)など
これらは冷蔵庫管理を基本として、開封後は1−2ヶ月以内となるはずです。 オイルへの酸化防止にはROEを添加します。 GSEや水溶性ROEを誤って選択される方がいますが、オイルには分離にして混ざりませんので、 オイル添加にはROEを選択下さい。ビタミンEオイルも緩やかな酸化防止剤となりますが、ROEの半分以下です。小麦胚芽油はさらに低く、ビタミンEが含有されているものの、小麦胚芽油自体が意外にも酸化しやすく、すでに劣化が始まっているものや、高度精製して小麦胚芽油としての特性が期待できないものが多いです。 当店の小麦胚芽油は未精製ながら、本来の香りを維持したものを入手できておりますが、 なかなか上品を手に入れる事ができませんでした。
「小麦胚芽油=酸化防止剤」という認識は、ROEなどの代替品が無かった時代の古いレシピで、 古い著者の再販冊子の情報を天然酸化防止剤として認識されている傾向がありますが、 現状の利用はその他のオイルにおける、栄養成分の補強や軽いオイルの粘性や保湿アップに利用されています。

<酸化しにくいオイル>
ナッツ系のマカダミア・スイートアーモンド・ピーナッツ・ヘーゼルオイルや、ホホバ・アルガン・ アマゾングリーンナッツ・オリーブ・キャスター・グリセリン・茶実油・椿油・ニームオイル・ スクワランオイルなどです。
これらには一般的にROE添加などの酸化防止処理はあまり行いません。 概ね常温保管にも耐えますので、30度以上にならない暗所保管がお勧めです。 長期の使用にならない場合や、結晶化しても 差し支えなければ低温保管がよいです。 (低温で固まった場合は下記の「結晶化について」も参考の上ご利用下さい)

いわゆるオメガ3脂肪酸(n-3系)の 多価不飽和脂肪酸タイプのオイルの殆どが酸化しやすいオイルです。 これらは冷蔵庫保管が必須です。 これらオメガ3脂肪酸系のは、一度にタップリ使うと、肌や衣服(布団)に残留する香り(青魚油臭)ばかりが気になるので、一度に多量使用するのではなく、少量を1日に多数回使用する方がよいでしょう。 肌の上にオイルが残るくらい油分をキープさせたい場合は、夜以外は 酸化しやすいオイルはフィニッシュに選ぶべきではありません。日中の屋外利用には酸化しにくく 紫外線防止効果のあるものを選ぶ事になります。 日中に酸化しやすいオイルを希望の場合は、オイルケアを二段階にするか、 しばらく屋内滞在時間を置くとよいです。最初に浸透のよい酸化しやすいオイルを使い(前処理) キチンと浸透させた後に、さらにその上に酸化しにくいオイルを被せる形になるでしょう。 酸化しやすいオイル類は概ね1時間以内には肌に浸透していますので、それ以降は肌上における酸化や 外出における心配は要らない事が多いです。 肌の新生に限らず治癒などは、自律神経系が賦活している日中よりも、副交感神経系の働いている寝ている間に起きています。
寝る前に行うケアは、上記の要素を考えて素材選びをすると効率的です。
カバーするキャリアオイルは日中に、浸透させるオイルは寝る前に行うと、そのオイルが効率的に使えるのではないかと考えております。

■ オイルの結晶化(低温で固まるオイル)

<結晶化しやすいオイル>
マカダミアナッツオイル・ココナッツオイル・ライスブラン(米ぬかオイル)・アプリコット(杏仁油)・ スイートアーモンド・ピーナッツ・ヘーゼルオイル・ホホバ・アルガン・オリーブローズヒップ・ ボイズンベリー・ザクロ種子・スイカ種子・アボカドオイル・アルニカ・カレンデュラホホバ・ キャロットシードホホバ・センテラ・カロフィラム/タマヌオイル・キャスターターキーレッド・ コットンシード・セントジョンズウォート・ニーム・ババス・パーム・レッドパーム油など

オイル管理の条件として、冷暗所保管を前提としていますが、一部のオイルは融点の関係で 低温下における結晶化・固形化するものがございます。
冬季や冷蔵庫の保管で一部の成分が析出して、下部や包装面に沈殿物や結晶物として堆積しますが、 品質において全く支障のあるものではございません。 常温下でゆっくりと融解(固形や結晶を液体化)させれば何ら問題はありません。 少々の結晶ならば、融解させず均一化した懸濁状態で取り出し、 肌の上でゆっくりと体温で溶かしてもよいでしょう。固まった場合は軽度な場合は体温でゆっくりと融解させて ご利用下さい。(湯煎などで強制的に短時間で融解させてはいけません)
パーム油・ココナッツ・ホホバオイル・ニーム・ババスなど完全に固形化したものは、少し温度を加えてあげないと溶けませんので、 40−60度の湯煎でゆっくりと融解させます。ホホバオイルは100度以上でも大丈夫ですが、 容器がもたないので、高温は避けてください。 融解の過程におけるオイル劣化などは心配ありません。 ホホバオイルのみは湯煎にも耐えます(ホホバオイルは本来オイルでなくワックスのため 100度以上の高温で何回も湯煎や、熱に晒す悪環境の実験下においても、一切の成分劣化が無かった という報告がある最も酸化や熱に強いワックスです) その他のオイルも使用時における一時的な融解に関しては大きな酸化などの影響は殆どございませんのでご安心下さい。

これらのオイルの冷蔵庫管理は実際の利用において現実的ではありません。 これらは比較的酸化に強く、直射日光を避ければ、常温保管でも構いません。 ただし冬季の暖房の真横など極度な熱気が届かない場所をお選び下さい。

■ 保存容器について

オイル類・特に精油を添加する場合などは、低質なプラスティック容器や、ホルモン分泌系撹乱因子 (ポリカーボネート/スチレン重合体やエポキシ樹脂/PVC-フタル酸ジ-2-エステル類を可塑剤として使用したものなど) を含む容器は避ける事を前提とした方がよいでしょう。 ホルモン撹乱因子以外の観点からも、まだ需要が少なく騒がれていませんが、精油添加による有機溶媒や 有害物質の溶出は、低質なプラスティック容器などでは大いに懸念されます。
  ただし環境ホルモンなどの騒ぎ以来、遮光瓶の保管が万能と考えている方が多いですが、意外にも遮光瓶管理より パック詰めで空気を抜いて栓をした冷蔵庫管理の方が、管理状態がよい傾向にあります。 当店においては100ml以上は、再度「栓」ができるパック詰めで提供しています。 (もちろん上述の有害性の危険のない材料を選定しています)
  瓶内における保管は、空隙率(空気の占める割合)が大きいので、可能であれば溶存酸素や微生物による 弊害因子となる酸素や落下細菌・雑菌類をオイルと隔離させたいものです。 容量の大きなものは、省包装のメリット兼ねてパック詰めで提供しています。 ただし100ml以下の少量は使用面において現実性もなく、空気接触面も小さいのでビン内に封入しています。 オイルの種類などにおいてアンバー(褐色)とコバルトブルー(青色)、グリーン(緑)の容器になっておりますが、 容器色と遮光性については大きく変わらないとお考え下さい。 (厳密には緑が一番よいとも言われていますがメーカーやロットにより、その着色量が微妙に違うので、 色では実際には目安にはならないのが現状です)
  2008年より、緑色の5ml容器のみメーカー製造の関係でヴァージンキャップが出来ない仕様となりました。 ヴァージン性がなくなりますが、栓の機能自体には問題はありません。 緑の5ml容器規格のオイル・保湿・オプション剤類は店頭には出さずにしっかり栓をしてお届けしますので、 何卒御理解の程宜しくお願い致します。(メディカル精油の1ml〜5mlはコバルト容器に封入していますので、 こちらはヴァージンキャップ仕様となっています)
 概ね5/10/30/50mlは遮光瓶入りです。オーガニックや高価なものはコバルトブルーボトルで、 兼価なオイルなどはアンバーボトル入りとなります。 殆どの30mlまでのオイルはオイル用ドロッパー付です。 グリセリン・キャスターオイルなど粘度が高いものは、滴下しないので ドロップ栓を外しております。ココナッツオイルは植物性バター同様に固めて管理するので、 ボトル入りでなく、パック詰めでの提供となります。
  ディープエコロジーの観点から、ビン類はリサイクルや再利用していただければ 当店としてはうれしく思っております。オイル類は熱水の石けん水でよく油分を除き、 最後に消毒用エタノールなどで通水させれば、多少の香りが残っても概ね問題なく再利用できます。 スプレーやポンプなどは60度以上の熱水はお勧めできないので、温かい石けん水で軽く洗浄し、 通水部は消毒用エタノールを通水して再利用します。最初はどうしてもエタノールが残留しますので、 初期ポンプ分は破棄してご利用下さい。 これらオプションのキャップやポンプ・スプレー・ドロッパーなどは どうしても消耗品と考えざるを得ません。 上記の洗浄でも永久には使えないので、おかしい場合はオプションのみの扱いもありますので、 定期的な交換も必要かと思います。 再利用については、多くの懸念要因も孕むので、自己責任下でのご利用となる事、何卒御了承下さい。

 

■ 比重について

それぞれのオイルは比重が異なっております。水(純水・精製水)は比重が1.0で100ml=100グラムですが、オイルは比重が低く、大まかな平均値は約0.9です。つまり100mlは100グラムではなく90グラムとなります。100mlパックの重量は約6.0グラムですので、比重0.9のオイルはトータル重量は90+6=96グラムとなります。(逆にグリセリンは比重が大きいので130グラム弱になります) 稀に100mlのオイルが100グラムに満たないため、足りないというクレームをいただきますが、オイルによって比重が異なるので、重量換算では大きな幅があります。以下に代表的な比重をお知らせします。当店では多くのオイル類は容量比(ミリ)で販売していますので、同じ100mlでも重量が異なります。分け入れは目量でなく、比重による計算で小分けする事が多いですので、ビンは輸入品のため底部の仕上がりにバラつきががあり、盛り上がっているもの凹んでいるものなどがありますが、製造上都合によるもので不良品ではないのでそのまま採用しています。同じ10ml入りボトルでも、目量高さが異なる事がございます。間違いなく容量比で計算してお分けしておりますので、どうぞ御安心下さい。明らかな相違点がある場合は交換致しますのでお知らせ下さい。
※PCAソーダのみ入荷時の梱包状況の都合上、容量比でなく重量比100mlでなく100g/250gの販売となっておりますのでご注意下さい。

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